*前回の記事

被疑者とその家族にとっては、弁護士費用が準備できなくても実質無料で弁護士に弁護してもらえる有難い制度ですが、弁護士にとっては正直しんどい制度となっています。
なぜしんどいのかについては、二つ大きな理由があります。今回は一つ目の理由について紹介します。
一つ目の理由ですが、
「かかる労力の割に報酬が極めて低いため、割に合わない」ことです。
国選弁護人の報酬は国から支払われますが、その報酬基準はHP上で公開されています。

被疑者の段階では、
・警察署での接見一回につき通常報酬として2万円(初回は2万6400円、但し捜査期間に応じた回数制限あり)
・被疑者の留置場所と法律事務所との距離が直線距離で25km離れていると接見一回につき4000円追加
・被疑者が外国人で通訳が必要な場合は通常報酬の合計額に20%を加算
・裁判所に申し立てて裁判所が被疑者の釈放を認めた場合は特別報酬(最大5万円)
・被疑者の段階で被害者と示談成立した場合は特別報酬(通常は3万円)
が主な報酬基準となっています。
通常報酬について、「1回2万円」という金額は高いように思われます(実際に、私の妻からは「警察署に行くだけで2万円貰えるのはいいじゃない」とよく言われます)。
ですがこの2万円は、
○警察署に行くまでの交通費(警察署が遠方の場合は通常報酬とは別に支払われますがなかなか認めてくれません)
○警察署への移動・警察署内での時間拘束
○具体的な弁護活動(被疑者への事実聴取、関係者への伝言の有無の確認及び関係者への連絡、必要に応じて裁判所等へ提出する書面の作成及び提出)
を全て含んだ費用になります。
私の経験上、捜査期間が長引いたとしても通常報酬の合計が15万円を超えたことはありません。
参考までに、私が私選弁護人に就任して弁護活動を行う場合、着手金として最低で55万円頂いております。
55万円はあくまで着手金のみですので、成功報酬金や交通費等の実費は別途請求することになります。
さらに、最近よくテレビコマーシャルを流しているベリーベスト法律事務所の場合、通常の刑事事件で発生する着手金の費用は66万円1となっています。
この時点で、国選弁護人の報酬が通常の弁護士費用よりもかなり低いことは想像して頂けるかと思います。
さらに、国選弁護人の報酬は、接見に行ったら・示談をしたらすぐに支払われるものではありません。
弁護士の方で、接見や示談の事実を証明する報告書を国(法テラス)に提出し、国が報告書の内容を審査した上で、報酬基準に沿った金額の算定書が弁護士に交付されて初めて支払われることになります。
おおよそ、
①報告書の提出から算定書が出るまで1~2週間
②算定書が出てから口座に報酬金が振り込まれるまで1ヶ月半~2ヶ月
かかります。
私選弁護と違って報酬の未払のリスクがない一方、いつ報酬が振り込まれるのか予測が立てにくいため自営業者である弁護士にとっては生活・経営の面で苦労する所があります。
国選弁護人の報酬に関するネット記事・ブログを紹介しますので、こちらも是非お読みください。
①47NEWSのまじめなネット記事

②弁護士による、報酬の低さを皮肉ったブログ記事



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