逮捕されるとどうなるのか➈(開廷まで)

公判当日、あなたは父親と一緒に裁判が始まる10分前に裁判所に到着しました。

裁判所の正面玄関から建物に入ると、手荷物検査場が設置されていました。あなたは備え付けのかごに荷物と持っていたスマートフォンを預け、金属探知のゲートを潜りました。特に異常はなかったため、荷物を以てソファのあるロビーで待機していました。

「お待たせしました。暫くすると、田中弁護士がロビーに到着し、あなたに声をかけてきました。

「少し早いですが、もう法廷は開いていると思いますので行きましょうか。お手洗いや水分補給は大丈夫ですか。」

既に済ましていましたので、あなたは田中弁護士と一緒に法廷まで移動しました。

法廷の入口に到着すると、入口近くの掲示板には、その日行われる裁判の一覧表の紙が掲示されていました。そこには、確かにあなたの名前も記載されていました。

「鍵がかかっていませんので入りますが、携帯電話は音が鳴らないようにして下さいね。」

スマートフォンがサイレントモードに設定されていることを確認して、あなたは田中弁護士と一緒に法廷に入りました。

法廷は少しこじんまりとした空間になっており、入口と反対方向に設置された長い机には、既に黒縁眼鏡をかけた男性が風呂敷と一緒に着席していました。

「あの人は裁判を担当する検察官です。」田中弁護士が小声で教えてくれましたが、確かにその男性は起訴される前にいた佐藤検察官とは別の人でした。

「そこの机に座ります。お父様は傍聴席でお待ちください。」田中弁護士から指示されて、あなたは検察官のいる席と反対側の机に移動し、椅子に座りました。

その後、奥に座っていた女性が田中弁護士とやり取りをして、父親に書類を渡している様子を見ていました。父親はすらすらと書類に記入し、女性に提出しました。

「裁判所の職員です。今、証人尋問をするための書類を書いてもらいました。」

田中弁護士が耳打ちして教えてくれましたが、すぐに裁判官が奥の扉から入ってきました。

検察官とされる男性と職員の人が立ち上がりましたので、あなたも田中弁護士と一緒に立ち上がり、裁判官に合わせて一礼しました。

(解説)

東京や大阪等の大都市に設置されている裁判所では、入口付近に手荷物検査場が設置されています。検査には数分かかりますので、裁判に出席する場合は早めに裁判所に到着しておきましょう。なお、弁護士の場合は身分を証明する物(弁護士バッジ、弁護士会が発行する身分証明書)を警備員に提示すれば検査を受けずに裁判所に入ることができます。

被告人が保釈されている場合は、事例のように公判が始まるまでに裁判所の入口付近で本人と合流し、法廷まで案内します。時間に余裕がある場合は、裁判所内の待合室で簡単な打合せや、証人尋問・被告人質問のリハーサルを行います。

これに対し、保釈されていない場合は警察官か拘置所の刑務官が本人を法廷まで直接連れていくので、そのまま法廷に直行します。

法廷のイメージ図はこのような感じになります(ChatGPTに作ってもらいました)。

通常、裁判官は一人ですが、裁判員裁判の事件等事件が重大・複雑な場合は裁判官が3名になります。

検察官について、大都市では捜査を担当する検察官と公判を担当する検察官が分かれているため、捜査の取調べを担当した検事とは別の検事が公判に出席することになります。

被告人は、法廷に入廷したら弁護人の隣に着席し、裁判官から指示があればその都度証言台に着席・起立することになります。

法廷には必ず書記官という裁判所の職員の方がいます。公判の内容の記録や、証人尋問実施の際に作成する書類(証人等出頭カード)の作成依頼等の事務手続を行います。

イメージ図には描かれていませんが、被告人が外国人で通訳が必要な場合は通訳人が書記官の隣に設置された席に座ります。また、法廷の隅(弁護人の後ろの辺り)に複数の席が設けられることがあり、そこには司法修習生という、司法試験を合格した研修生が見学のために着席します。

ここまで長くなりましたが、次回から公判の具体的な手続きを説明します。

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