自己破産における「債務を弁済することができない状態」について

前回の記事で、裁判所は自己破産をしようとする債務者について破産の手続を始めてよいか、その債務者が「債務を弁済することができない状態」にあるかどうか審査を行うと説明しました。

この「債務を弁済することができない状態」を、法律用語で「支払不能」といいます。裁判所が、債務者が支払不能の状態にあると判断した場合は、破産手続開始の決定を行うことになります。

「支払不能」の用語は破産法で

債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態

と定義されています。

「支払不能」についてはどのタイミングで判断するのか、どのような場合に「支払不能」と認定されるのか、「支払不能」と判断された後に債務の弁済があった場合はどうなるのかといった様々な問題がありますが、個人の自己破産との関係では、

全ての債権者に対して受任通知の手紙を送付した時点で、債務者が「支払不能」の状態にあると判断される

と理解しておけば(ひとまず)問題ありません。裁判所に提出する申立書類にも、いつ受任通知を送付したのか、年月日を記載します。

もっとも、沢山財産を持っていて、収入も毎月の弁済額を賄えるほど認められるにもかかわらず受任通知一枚を郵送すれば「支払不能」と認められるというのでは、破産制度が濫用されることになります。そのため、実体として債務を弁済することができないかどうか判断するため、申立の際には、

○申立の時点で保有する財産の自己申告表(「財産目録」)

○財産目録の裏付け資料(銀行口座の取引明細、保険証券、不動産登記、車検証等)

○家族全体の一ヶ月当たりの収入と支出の家計簿(「家計収支表」)

○収入や支出の裏付け資料(給与明細、源泉徴収票、確定申告書、賃貸借契約書等)

の資料を申立書に添付しなければなりません。

これらの資料をいかに早く、正確に集められるかは代理人の腕の見せ所だと思います。

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